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退職の時代背景

若年雇用問題

「2007年問題」という団塊の世代退職による人手不足に対して、企業は新卒者の大量採用という形で対応している。中途採用も増えているとはいうが、それはあくまでも正社員として経験をあればこそらしい。フリーターや契約社員が正社員となるには大きな壁が存在している。非正社員としての仕事では職業経験とみなされないから、正社員として採用されないというわけである。「超就職氷河期」と呼ばれた時代に非正社員を選んだ30歳前後の若年雇用は、好況といわれていても厳しい状況だ。

正社員になることが必ずしも「幸せ」につながるとは限らないのだが、金銭的に生涯賃金で大きな差がでるのは事実である(平均、正社員2億2000万円・フリーター5700万円)。職業経験は「仕事」を通してしか身につけられないのだから、時給以上の働き(サービス残業を薦めるわけではないが、時にはその必要もあるだろう)をして「仕事」を任されるしかない。給料以上の働きをするのは当然のことだが、その基準を非正社員でありながら「正社員」の基準でクリアしていく必要がある。

もっともその努力も報われる業界や企業を選んで行うべきである。業界や企業によっては「正社員」と「非正社員」の間に越えられない壁があることも事実だ。そうしたところでの頑張りも決して無駄にはならないと思うが、「正社員」としての道が拓かれている(制度としてある)場所で努力するほうが賢明だろう。