退職から転職 退職から独立 退職から?

仕事のやりがい

「サラリーマンの仕事に対する思いもドライになりつつある」と読売新聞(2006・10・28)では内閣府「国民生活に関する世論調査」を取り上げて論じている。

そこでの何のために働くのかという設問(97年と05年を比較)では「お金を得るために働く」が34%から53%に増加し「生きがいを見つけるために働く」が33%から19%に減少するというか結果となった。アンケートでは半数の人間が「お金」のためと答えているのだから「ドライ」になったというのもうなずける。

(「どのような職業が理想的か」の設問でも「収入が安定した仕事が49%から52%に「専門知識や能力が活かせる仕事が35%から29%となっていることから、「やりがい」よりも「安定(お金・生活)」にシフトしていることがうかがえる)

紙面では格差社会の影響を匂わせつつ、不本意な状況からでも仕事のやりがいを「自ら」見つけ出した例を取り上げ、今現在「働く場こそ」が「晴れ舞台」だという考えを中心に据えていた。

仕事のやりがいは与えられるものではなく自分で見つけ出すしかない。安定した収入が欲しいのは、ほとんどの人にとって共通のことだと思うが、それでいてなおかつ「生きがい」を感じるためにはどうすればよいのか?

翌日(2006・10・29)の書評で「働くみんなのモチベーション論」(金井壽宏著・NTT出版)がとりあげられていた。そこでは「やる気」は人から与えてもらうのではなく「持論」を持つことの大切さが語られているという。

現在では仕事の「やりがい」が失われてきているというよりも、働く人の「持論」がもちにくくなっている状況(格差社会?過度に物質的な豊かさ?)なのかもしれない。